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この札は我が国で初めて全国一元的に流通した「政府紙幣」です。
慶應戌辰 発行とあります。1868年2月12日、今から196年位前の物のようです。希少です。
徳川幕府が崩壊し、新明治政府ができたものの、租税収入は確立しておらず政府の財政も不安定でした。
当時必要であった軍費や、各藩発行の藩札の処置にも困っていたため、政府は太政官札を発行します。製造場所は京二条両替町銀座。数名の職員で製造を始めましたが手狭なためまもなく二条城内に移っています。用紙は越前の五ヶ村で5000万両分製造、銅版は太政官会計局が管理していました。越前の用紙が使われた理由は、福井藩で政府参与の光岡八郎(後の由利公正)が財政責任者になり、製造を担当したためです。福井藩は初めて藩札発行した藩であり、また古くから紙の産地であったため今立の紙漉き業者に製造を依頼、従来の製品とは異なる強靱で偽造できにくい紙が造られています。札は真鍮や銅が使われエッチング方式が採用されました。
表面は菊と桐の紋章を入れた唐草模様の中に金額を、双龍が宝珠を持ち、太政官札会計局と書かれています。印章は竜の中に信の文字、裏面は二匹の鳳凰と「慶応戊申発行 通用十三年限」の文字。印は「元締」と押されています。種類は拾両、五両、一両、一分、一朱の五種類。明治2年までの1年間で4800万両を発行、しかし庶民は藩札で価値が下がり苦労した経験があっためまともに受け入れません。政府は「租税や上納に使用してもよい」と通達しますが流通はスムーズにいきませんでした。その後、太政官札は民部省札と交換され、明治12年、交換期限が終了しその役目を終えました。
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