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ブラームス
①クラリネット三重奏曲 イ短調 Op.114
②クラリネット・ソナタ第1番ヘ短調 Op.120-1
③クラリネット・ソナタ第2番変ホ長調 Op.120-2
レオポルト・ウラッハ(クラリネット)
フランツ・クヴァルダ(チェロ)①
フランツ・ホレチェック(ピアノ)①
イェルク・デムス(ピアノ)②③
録音:1952年①1953年②③
晩年のブラームスの消えかけた創作への炎をもう一度かき立てる男が出現します。それが、マイニンゲン宮廷楽団のクラリネット奏者であったミュールフェルトです。そのほの暗く甘美なクラリネットの音色は、最晩年の諦観の中にあったブラームスの心をとらえてはなしませんでした。創作のための筆を折ろうと決めていた心はミュールフェルトの演奏を聴くことで揺らぎ、ついには最後の残り火をかき立てるようにクラリネットのための珠玉のような作品を4つ(当盤の3曲とクラリネット五重奏曲)も生み出すことになるのです。
クラリネット・ソナタ2曲は、ブラームス晩年の超傑作、重く柔らかく甘美で憧憬に満ちた奇蹟のような音楽です。ヴィオラ・ソナタとしても演奏されることも多いですが、オリジナルはこのクラリネット版です。ウラッハの演奏は、侘び寂びの世界を思わせる渋い音色で、他の演奏の追随を許さない不滅の名盤です。
ウラッハのクラリネット、イェルク・デムスのピアノによる2曲のブラ-ムスでは、やはりウィ-ンの風情を決して押しつけがましくなく、むしろさりげなく漂わせているところが秀逸。ウラッハの表現は飄々としていて、ことさら曲想に陰影を付けたり個性を強調するものではありません。特に両ソナタの緩徐楽章では彼のオ-プンでヴィブラートのないクラリネットの音色が、かえってブラ-ムス晩年特有の静けさの中に幾ばくかの諦観さえ感じさせます。第1番第2楽章アンダンテでの消え入るようなピアニッシモや、第3楽章アレグレットのレントラー風の鄙びた響きとそれを支えるデムスのピアノはまさにウィ-ンの奏者のアンサンブルというに相応しいもの。また第2番冒頭の愛らしいが、幾らか霞がかかったような青空をイメージさせる表現は現在では得難いです。若き日のデムスの伴奏は控えめだが巧みにソロをサポートしている。
国内盤、帯付き、盤面傷無し 10
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